義弟からの誕プレ本3冊

去年、義弟ができました。

彼はうちの家系にないタイプの才能をたくさん持っており、苗字変更の労を引き受けてくれるほど優しく、何より妹をめっちゃ大事にしてくれています。

それだけでもう満点なのですが、なんと今年は私の誕生日に3冊も本をプレゼントしてくれました泣

※ちなみにその後も私たちの結婚式の動画を編集しサプライズムービーを作ってくれた。玄人裸足のクオリティだった。多才すぎる。


とても嬉しかったので以下感想まとめておきます。

f:id:harukirokukun:20220725021458j:image

一冊目 亜ノ国へ/柏葉幸子(写真右)

柏葉幸子さん、小学生の時大好きだったモンスターホテルの作者さんだった!

不妊治療が実を結ばず離婚したばかりの女性がファンタジー世界にトリップする話です。

ファンタジーの世界観が独特で、規則性を見つけづらいので展開の予測ができない。なので不思議な設定を楽しむ感じかなと思ってたんだけど、そのうちの一つがでかい伏線になってて、伏線回収シーンの筆力がすごすぎて泣いた。

 

二冊目 雨家の星たち/寺地はるな(写真真ん中)

感情労働の一切を拒否する主人公が「お見舞い代行」として働く話。

それ故に周囲と軋轢生むんだけど、こんな相手の方が気楽な時ない?忖度されてるコミュニケーションって疲れるので…服屋さんとの会話もしんどい時あるよね。店員さんの非では全くなく、客側のコンディションの問題やけど。

期待しないされない関係を、主人公はお金を挟むことで実現しようとしていて、それを否定せずに書いてるのがよかった。逆にお金以外で実現できる手立てがないような気もした。

 

三冊目 おいしいごはんが食べられますように/高瀬隼子(写真左)

今年の芥川賞!ぱっと見「これが?」ってなるようなおしゃれな装丁とタイトルで、文章もモチーフ(食事と仕事と恋愛)も軽くてぐいぐい読める。のに、怪作だった。

作中ある女性があらゆる人から舐められており、読んでても彼女がとても凡庸なことは伝わってくるのに、心理描写が一切なく、後からあの人なんだったんだろうってぞわぞわ来る。

彼女を恋人にする男もいるんですが、こっちは心理描写もあるのに思ってることとやってることが全然違って理解不能。行動は一見普通なのに感情と乖離しすぎてて、しかも特にそれに疑問や葛藤を抱かない。

この世の倫理に従わない幽霊がぼーっと人間界に紛れてるみたいな感じ。作者の他の本も読んでみたくなった。

 

 

人からの本のおすすめやプレゼントはゆるやかに自分の価値観を広げる可能性があるからすごくありがたいなーと思ってます。今回の3冊も自分じゃ選ばなかったor読むの先延ばしした可能性大なので…

お返し考えるのも悩むけど楽しい!まだ時間はあるのでがんばって考えようー